統一教「王子の乱」 文国進(四男) 対 文顯進(三男)(韓国 新東亜2011年6月):3の3 文顯進氏インタビュー

文顯進UCI会長兼GPF理事長は漂う雰囲気が熱い人だ。彼は達弁でありカリスマがあふれていた。インタビューは米国、モンタナ州ボズマンのある旅館でなされた。ボズマンは狩猟観光地として有名なところだ。

彼は文鮮明総裁の息子七人中の三男だが、長男と次男が亡くなって実質的な長男の役割をしてきた。米国コロンビア大で歴史学を専攻してハーバード ビジネス スクール(MBA)を卒業した。彼は気骨が壮大だった。国家代表乗馬選手としてオリンピック(1988年、1992年)に出場したこともある。今年四十二歳の彼は子供が九人だ。長男が大学卒業クラスとのことだ。子供を産み育てる話がインタビューの雰囲気を和らげる役割をした。

Q.こちらになぜきたか?

「山の中で精誠も捧げ、動物も世話している。自然は常に学校と同じだったし、礼拝の場所でもありました。」

Q.狩猟、釣りを楽しむとかいうが、それも同じ脈絡なのか。

「そうです。父とともに自然に出て行ったりした。あなたが原理講論を読んでみたことがあるかもしれないが、多くの内容が自然からインスピレーションを得たものです。」

原理講論は文鮮明総裁が著述した統一教の教理書である。

「私たちはキリスト教の分派ではない」

文国進理事長とのインタビューが現実的だったとすれば、文顯進会長とのインタビューは哲学的だった。世俗的な質問をしても哲学的に答えた。はい、いいえを尋ねたストレートな質問にも彼は短く答える場合がほとんどなかった。

彼は宗教観、メシア観が弟のそれと違った。フレームが違うので、正しいとか正しくないとか問い詰めることはできない問題である。

Q.父君がメシアだと信じるか。

彼は真剣な表情で答えた。

「私たちの中でもこの表現を使うのが好きですが、私はまずメシアという単語が持っている多様な解釈と意味に対して話しましょう。メシアという概念はユダヤ教で、または、キリスト教でその中の教団ごとに異なった意味を持っています。イスラム教が理解しているメシア概念もまた違います。私の父をメシアと信じるのかと尋ねるのなら、その中のどの観点で話をしなければならないのでしょうか?私が信じていることを説明しましょう。その方が人類の前に貢献された方だと信じるのかと尋ねればそうだと言います。神の下の人類一家族(ワン ファミリー アンダー ゴッド)の夢を起こした方と信じるのかと尋ねるならばそうだと言います。」

Q.文鮮明総裁を信じてこそ救援されるということに同意するか。

「信仰基台と実体基台というものがあります。盲目的な信頼や信仰だけでは救援に至ることができず、自身の人生の中で見せることができる実績と実践がなければなりません。」

彼は誰でも霊的な指導者になることができるといった。哲学的問答が行き来しながら彼が仏教的世界観を持っているという気がした。もちろん彼は同意しないだろう。文鮮明総裁をメシアと信じて、祝福を受けてこそ救援されるという文国進理事長の宗教観とは筋が違った。彼は特定の宗教、特定の信仰に埋没することに対し否定的だった。

彼はこのように付け加えた。

「統一運動の中でメシアという概念は幅広く使われます。そこには国家メシア、宗族メシアという概念もあります。したがって私たちが理解するメシアの概念はキリスト教やユダヤ教とは違うと見ることができ、もう少し開放的で拡大したものと考えられます。父は一度も統一教会だけを通じて神様が役事されると信じておられませんでしたし、今後もそう言われるでしょう。事実統一教会は父が創られた教会の正式の名前ではなくて、実際の名称は世界基督教統一神霊協会です。ある人々は私の父を統一教会の創始者と考えますが、その方は自らを統一教会創始者とは考えていません。」

彼は父を統一教という宗教ではなく「統一運動」の開拓者と考えた。

「私は宗教の枠組みを脱けた」

Q.それなら統一教がキリスト教の分派と思うのは誤りなのか。

彼が問い直した。

「あなたはどう思うか?」

深く考えてみたことはないが、「誤りであるようだ」と言った。

彼は「それなら、私も同意する(Well,then I might agree with you)」と話した。

Q.あなたの宗教は何か?

「私は宗教の枠組みを抜けた者です。」

彼はこのように付け加えた。

「宗教指導者は自らの宗教と特定信仰を擁護します。私は宗教指導者ではなく霊的なリーダーです。そういう方々が各宗教ごとにたくさんいます。仏教だけでなくキリスト教にも多い。私と親しいフェレイラ・ビショップはブラジルで最も大きいキリスト教宗教団体の代表ですが、偏狭な宗教の枠組みから抜け出て、ブラジルだけでなく南米大陸で社会的変革がなされるように努力しています。世界で最も大きいイスラム市民団体であるNUの最高指導者であるインドネシアのサイド博士も同じです。」

彼は制度としての宗教に対して否定的だった。

「(宗教は)弟子たちと追従者が創始者のメッセージを解釈しながら次第にこれを制度化したものです。組織ができれば官僚主義ができ政治が生じます。」

彼は「ユニフィケーションムーブメント(統一運動)」という単語を主に使った。「ユニフィケーション チャーチ」つまり「統一教」という表現は統一運動と比較する時にだけ使った。

彼が統一教内紛を見る視角は次のようだ。

「私の父に、教会を作ろうとして来られたのかと尋ねれば、違うと答えられるでしょう。根本的なメッセージを実現しようとする勢力と、組織を維持しようとする勢力の葛藤はいつも存在するという事実を理解しなければなりません。」

文国進理事長が強化しようと思う「統一教」ではない宗教の枠組みを抜け出した「平和運動」であるから、自身が遂行する「統一運動、ユニフィケーションムーブメント」が父が抱いている御旨であるという主張である。

「信徒を所有することができるのか?」

彼は天宙平和連合(UPF)共同議長、世界平和青年連合会世界会長をはじめとする核心の職責をたどりながら統一教の後継者になるという評価を聞いてきた。2008年UPF共同議長から退いた後、後継者競争から脱落した。

Q.3年前UPF共同議長から退いた。今と同じ考えが影響を及ぼしたのではないのか。

「リーダーシップについて話してみましょう。地位や権力、お金の力で指導者になるのではありません。リーダーシップは他の人が感動を受けてついてこれるように見本を見せることです。私が組織を引き受けた後UPFは大きく発展しました。しかし私が退くと目的と方向が変わってしまいました。ですからGPFを立ててそのことを継続してきているのです。」

Q.辞めたら虚しくはなかったか。

「私は地位、権力、お金が動機になって動く者ではありません。」

Q.成果を出せなくて退かされたと知られています。

彼の声が高まった。

「それを信じるのですか?私が成果を出せない者だと考えるのですか。」

Q.統一教の多くの人がそのように考えていると見るが。

「そうだと確信しますか?」

Q.組織としての宗教を建設しようという主張に明確に反対するのか。

「私が言おうとすることはそれではありません。自分の宗教の枠組みから抜け出せということです。いくらでも宗教を立てることはできますが、その宗教の枠組みに拘束されてはいけない、偉大な信仰指導者たちの根本の教えに忠実でなければならないということです。宗教間の葛藤が世界的次元として極大化する可能性が大きい今はより一層そうすべきです。私が焦点を合わせるイシューは私の父の生涯と活動がどんな業績として残されるかということです。」

Q.あなたの話のとおりならば統一教に後継者がいるということ自体がナンセンスだ。

「あなたがナンセンスと言ったので私は笑ってしまいます。(Well.you said it’s nonsense.I am laughing)」

Q.父君のような人になりたいという考えはしてみなかったか?

「父のようになりたいと話したことがありました。父は、「あなた自身になりなさい」と激励しました。私は私の生を生き、私の道を歩いています。」

Q.宗教に後継者があると見るか?

「資産に対する所有権が明らかである会社とは違い、宗教のような信仰の世界であなたが信徒を所有することができると見ますか?人を所有することができると見ますか?違います。物質的な資産を所有する会社とは違います。誰が後継者イシューを始めたのかは知りませんが、これが重要な懸案だとは思いません。サイドショー(Side show:副次的なこと)に過ぎません。三流言論とかつまらないドラマにでも出てくる内容です。(It is a tabloid,It is a fluffy drama).」

Q.それなら重要なイシューに対して健康な論争が進行していると見るのか。

「そうです。」

「失望したのかと?もちろんそうです。」

Q.ヨイドの土地問題はどのように理解しなければならないのか。

彼の返事ははっきりしなかった。

「私もどのように理解したらいいかわからない。どのように理解したらいいかわからない人が他の人にどのように理解しなければならないかを説明できますか?」

Q.財産をめぐって争うのか。

「そのような噂が広がっていること自体が不幸なことです。私の父と私の家庭、そして全体統一運動を誤解するようにさせるだけでなく引き降ろすことです。」

彼は文鮮明総裁の意志を強調しながら曖昧に話題を変えようとした。率直でない返事だという気がしたが文句はつけなかった。

「父はいつも韓国に寄与しようと思っていました。経済的な面でヨイド・プロジェクトは韓国に数兆ウォンの投資を誘致するプロジェクトです。父は韓国を発展させる夢を持って生きてこられたし、韓国に帰国すればヨイド敷地に訪問して祈られたものでした。ヨイド・プロジェクトがソウルにものすごい活力を持ってくるでしょう。そのような面で李明博大統領がソウル市長だった時に緊密に協助しました。(最近大きくなった問題は)不幸で恥ずかしいことであり統一運動の真の姿ではありません。」

Q.ヨイドの土地で統一教会信者がデモをした。聖地として作らなければならないということだ。

「多様な人がいるはずです。彼らが全体を代表すると見ることはできません。米国のある牧師が公共の場所でコーランを燃やしたことがあります。米国政府がそのようにするなと頼んだのにそのような行動を継続すると言いました。その結果アフガニスタンで大きい暴力事態が発生して米国の若者たちが犠牲になりました。コーランを燃やした牧師の行動がキリスト教を代表していないということを、ヨイドで起こることを比喩するものとして見ることができるでしょう。」

Q.解決する方法はないか。譲歩したり。

「解決策を尋ねるのですか?説明できる限り十分に説明したと思います。」

Q.答えたくなければしなくても良い。

「十分に説明したと思います。」

Q.統一教財団であなたを攻撃する様相なのに、残念な感情はないか。

「残念と見られますか?」

Q.残念ではないか?

「この困難がすべての人がより大きく成長して発展する機会と見ます。私が失望したのかと?もちろんそうです。世の中には色々な種類の人が存在する。あらゆる多様な状況を消化する能力がなければ世界的な運動をどのように導いていけますか?」

Q.怒らなかったということなのか。

「私も人です。怒ることができます。しかし時間が過ぎれば消える感情が私の行動と仕事を支配するようにするでしょうか?違います。大衆言論を通じて報道される内容は本来の統一運動を代弁していません。成熟した人はこのようなことがどの組織でも起こりうるということを理解するでしょう。人々がヨイドを中心として起こる事件によって、統一運動全体を非難したり私の父に対する誤った結論を下さないことを願います。」

Q.言論によれば母を告訴して非倫理的と言うが….

「どの言論をいうのですか。その報道機関が報道した多くの内容を撤回しようとしていることを知っていますか?その記事を中心資料として使わないように願います。」

中央日報の報道より先に時事ジャーナルが統一教内紛を扱いながらWTAと統一教宣教会の訴訟に言及したことがある。時事ジャーナルの報道を信徒が読めば文顯進会長に拒否感を持つ内容がたくさん含まれている。

Q.その背景に何があると見るか。

「私にまた推測しろと言うのですね。」

この場面になって彼が興奮した。

「私が先に尋ねます。私をインタビューするのが私に対して知りたかったからなのですか、それとも韓国で創造されているタブロイドドラマと私を結びつけるためですか。」

彼はこのように付け加えた。

「統一教財団でも教会本部でも信徒が何をしようが、どんな讒訴をしようが私とは何の関係もありません。私のような次元で仕事をする人には常に謀略する者がいます。そのような内容に答えるだろうと推測することは私に対して無責任なことです。私は私の個人だけを代表するのでなく私が代表するすべての人を代表します。誰かが無責任に行動するといって私も無責任に行動するならば、それも無責任なことです。」

彼が興奮したのが目に見えた。

Q.統一教財団ではあなたがすることが創始者の意に逆らうことだという。

彼が問い直した。

「財団で本当にそのように言ったか?」

Q.公式的にそのように話した。

彼は仮定、推測を要求する質問には答えないといった。

「見ていなさい。私がそれに対してどのようにコメントするか。」

Q.韓国社会で長男が持った意味が小さくない。弟と和解するメッセージを伝えてください。

「ある前提を持って質問していますね。どのような前提、仮定をするかによってどのような話しを書くかが決定されます。私が見るには葛藤や残念な感情が存在すると仮定しているようです。私はそうではありませんが、相手側はどうかわかりません。それを推測することもできませんし、推測しようにも私がすることがとても多くて忙しいのです。私は事実長男ではありません。もちろん生きている子供の中では長男です。長男の位置が重要なのはただ韓国だけというのは違います。米国も同じです。長男の責任は家庭でどんなことが起こっても父母と家庭、その方が代表する全てのものに栄光を返すことです。私は私が愛し、私と血縁関係にあるすべての人を尊重する生活を送りたい。血縁関係は絶対的であるからです。誰も父母や兄弟姉妹を選択できません。弟がどのように行動したとしても兄として品位(ディグニティ)を守らなければならないと信じます。私は韓国国民が私の父を(宗教の創始者でない)人類の希望を目覚めさせた方として正しく認定するようになることを願います。」

「現実に土台を定めなかった理想主義者かと?」

GPFは米国、ワシントンに本部を置いたNGOである。宗教的利己主義を超越した超宗教運動、家庭の価値、奉仕に焦点を合わせた非営利機構だという。ケニアでナイロビ川の浄化事業を展開しながら政派間紛争を克服することを助けたと彼は説明した。GPFはネパール、ブラジル、インドネシア、フィリピン、モンゴルなどでも活動している。「一回だけの行事で成し遂げることができることが何があるのか。統一教の資産を浪費している」と一部の統一教人士たちは批判する。

「開発途上国はこれ以上西欧社会をモデルとみていません。ケニアで互いに政敵であった大統領と総理が一カ所に集った中でGPFが主管する国際会議が開催されました。その行事で韓国のセマウル運動を強調しました。」

8月にモンゴルでGPF大会が開かれるという。彼はモンゴルでしていることに対しても長く説明した。

「モンゴル指導者の中に北韓最高指導者と深い関係を結んだ人が多くいます。モンゴル大統領が後援者として立ったモンゴルGPF大会は東北アジア平和定着と関連して重要な行事になるでしょう。」

彼はスケールが大きかった。「普遍的霊性」、「神の下の一家族、ワン ファミリー アンダー ゴッド」という表現を使った。

Q.あなたは理想主義者(アイデアリスト)なのか。

「そうかも知れません。私にはわかりません。あなたが話してみなさい。多くの場合、人々が理想主義者という単語を使う時、その単語は頭は雲の中にあって現実に基づいていないとの否定的ニュアンスを与えます。あなたが私を見る時そのような理想主義者だと考えますか?でなければ世界に基礎を置いて、希望を成し遂げることができるイシューを悟らせる理想主義者だと考えますか?私にはわかりません。自らを評価するということは愚かなことです。あなたが判断してください。」

彼の父は2009年に「平和を愛する世界人として」という題名がついた自叙伝を出した。彼は出版記念会に参加しなかった。

Q.出版記念会の時は行かなかったか。

行かなかったのか、行くことが出来なかったのかを尋ねることです。

彼はこの質問に答えなかった。

[以上]

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