統一教「王子の乱」 文国進(四男) 対 文顯進(三男)(韓国 新東亜2011年6月):3の2 文国進氏インタビュー

文国進統一教財団理事長兼統一グループ会長は、漂う雰囲気が冷たい人だ。彼は三才の時米国に渡っていって三十五才の時帰国した。それで韓国語が下手だ。彼の英語の返事は短くて簡潔だった。

彼はスーツ姿に野球帽子をかぶっていた。ヨーロッパへ巡回に発った文鮮明総裁を見送って来たところだと言った。彼の一番下の弟の文亨進会長夫婦が文鮮明総裁に随行するという。

Q.現在の状況をどのように見なければならないのか。

「困難があるということを認めます。より大きい成長のための痛みだと考えます。困難の中でも統一教会と統一グループは急速に成長しました。お兄さん1人を除いたすべての統一教指導者および信徒は総裁のみ言葉と一つになってより大きく成熟した未来のために努力しています。痛みを踏み越えて必ず勝利するでしょう。」

「信徒たちに申し訳ない」

彼は「ヨイドの土地」に対する質問に次の通り答えた。

「私たちの経済的権利が十分に保護されなくなっているというのが根本的です。」

長い返事を予想したが彼の返事は簡潔だった。財産をめぐって争っていることを隠さなかった。

ヨイド工事現場の前で統一教信徒数百人がデモをしたことがある。「郭錠煥は反省せよ!」と書かれた垂れ幕も張り出された。デモ隊の主張は次のようだった。

「統一教聖地に金融会社が入ってきてはだめ。」

「統一教世界本部が入居すべきだ。」

「郭錠煥ファミリーと彼の追従者は便法不法行為を明らかにしろ!」

<1部>で言及したように郭錠煥前統一教財団理事長は文鮮明総裁の三男文顯進会長の妻の父で一時統一教第二人者と呼ばれた人物だ。

Q.一部の信徒はヨイドの土地を聖地として作らなければならないと主張するが。

彼は「聖地」「世界本部」のような名分を前に出さなかった。先立って答えたように本質は財産権争いというものだ。

「食口たちがそのように言っているのを知っています。財団の立場では被害を受けたことに対して充分に補償を受けられずにいます。財団がその土地の法的所有者です。しかし、権限の保護を受けられずにいるのが本質です。」

ヨイドの土地は汎統一教がソウルに保有した卵で言えば黄身にあたる不動産である。この土地の地上権を三男の文顯進会長が確保したのである。ソチョ区、パンポ洞のセントラルシティもUCI所有である。

Q.損害がどれくらいになるか?

「ダメージが大きい。」

Q.ずっと争うのか。

「経済的な権利が明らかに認められる時まで争うでしょう。」

Q.調停も可能なのか?

「どんな方法で調停されるのかによって….」

彼は後ほど書面に送ってきた追加答弁書ではヨイドの土地が聖地という点を次の通り強調した。

「ヨイドの土地は単純な土地でなく全世界統一教信徒たちの献金と精誠でなされた聖地です。それをある一人の個人が思いのままに処分するのは全世界信徒たちの心情を蹂躪することであり、信徒を無視する処置として黙認できない。権利を取り戻し守ろうとしたら、事が法廷に拡大して心が重く信徒たちに申し訳ない。」

「私はビジネスマン」

彼は統一教という宗教の後継者というより、ビジネスマンと見なされる。感じたそのまま彼に尋ねた。

Q.企業家のようだが。

「私は統一教メンバーです。神学もいくらか習いました。宗教的な人間でもあるが、それよりは実用的な人間です。財団で任せられていることは教会の資産を管理することです。父と世界会長である弟を実用的な部門で助けます。末っ子の弟が霊的なリーダーです。彼が父の霊的な後継者です。私の役割ははるかに実用的なものです。」

Q.あなたにとって父君はどういう方なのか。

「統一教の創始者であり宗教指導者です。個人的には肉身の父母です。救世主、再臨主、真の父母として神様の真の愛を実現しようとこの地に来ました。16才で啓示を通して召命を受けた使命を92才の今まで真の主人の生、真の師匠の生、真の父母の生と真の愛を実現しようと全生涯を犠牲にしました。強い神様の国を作ろうと4月25日から92才であるにもかかわらず、世界巡回の道を出発しました。」

Q.父君のような人になりたいと思ったことはないか。

「父の能力と私の能力は違います。私ははるかに実用的です。宗教指導者よりは企業家としての役割がさらに適性に合うようです。弟の文亨進世界会長は宗教指導者としての資質を持っています。」

彼は自身を説明しながら「プラクティカル」という単語をしばしば使った。「現実的」「実用的」と翻訳される英単語だ。

彼は後継者問題は終わったと強調した。

「父が教会の次世代の霊的なリーダーとして弟の文亨進世界会長を指定しました。何の問題もない。(ノープロブレム)彼が私よりはるかに優れた霊的なリーダーです。私は一生を教会でない実用的な分野で仕事をしてきました。」

彼はこのように付け加えた。

「後継争いという言葉は正しくありません。文鮮明総裁は昨年6月5日統一教の代身者、相続者を文亨進世界会長として決めました。総裁ご夫妻の固有権限として誰も再び論じることはできません。文亨進世界会長は今でも宗教指導者としての役割をよく遂行している。個人的に父の次に尊敬する人が文亨進世界会長です。」

Q.統一教財団理事長、統一グループ会長として文鮮明総裁の意を受け継ぐということなのか?

「財団は教会を支援する目的で存在します。企業を所有する理由は教会のために資金を作ることです。統一グループでの活動が父親が抱いた御旨を実現する事業をすることは正しいことです。統一グループが設立されて以来、今まで父の弟子が父親の意向を実現しようと活動してきました。その延長線上に私がいます。」

 企業は金を儲けなければなりません」

Q.企業家としてのビジョンは何か。

「統一グループは統一教を支援しようと設立されましたが、統一教を支援できず、かえって統一教の支援を受けて維持されました。これからは設立目的を忠実に履行しようと思います。統一グループに属した企業と機関の経営改善を通じて統一教を経済的に支援し、統一教が世界的宗教に成長することに使命を尽くします。」

Q.与えることだけではできないのではないか。

彼は韓国語で答えた。

「企業は金を儲けなければ。企業は金を儲けなくてはね。」

文顯進会長を「サタン」、「堕落した天使長」だという激しい表現が統一教の一角で広く知られている。彼はこれをどう思っているだろうか。

Q.「サタン、堕落した天使長」という表現は行き過ぎではないか。

彼はためらわず答えた。

「それは私たちの神学では非常に明らかな事実です。私たちの神学を勉強する機会があればそれがどれくらい明確なことか分かるでしょう。神学的には正確です。父は私たちのメシアである神様の代身者です。父を助ける教会指導者は天使長の位置にある。神様を背信した天使長のように、メシアである父を背信すればそれはサタンで、堕落した天使長です。統一教神学を分からない人は理解し難いが、私たちの神学を理解する人ならばそれが非常に簡単で、適当な表現であることがわかるでしょう。」

Q.兄が聞けば悲しがるでしょう。

「そりゃそうでしょう。(アイ アム シュア)彼は悲しむでしょう。しかし神学的にはそのように説明するほかはありません。私たちの教会が運営される神学的枠があります。」

Q.文顯進会長のGPF活動は統一教とは関係がないものか。

「関係ありません。」

Q.文鮮明総裁の御旨と関係がない…?

質問がまだ終わる前に彼が韓国語で答えた。

「父の御旨と関係がありません。」

Q.混乱に関連した和合のメッセージを話してください。

「父は私の末の弟の文亨進世界会長を後継者に指名した。兄はこれに同意せずに、郭錠煥会長と兄が米国にある私たちの教会財団の中の一つを掌握して自分たちのグループを作っているようです。私の考えではほとんどすべてのメジャーの宗教歴史でよくあることです。大部分の大きい宗教を見れば創始者がいて、創始者の次に分裂があって、また合わされる。それほど大変な事だとは思いません。」

Q.平和を愛するという宗教で争いが起きたが。

「宗教というものは人類の現在の状況を超越する何かを追求することです。現実は神様の神聖な状況から離れているので救援を必要とします。私たちが平和を言うのは世界がそれと距離が遠いからです。」

「私たちはクリスチャンだ」

文国進理事長と文顯進会長は統一教の現位置と未来を見る視角が違う。「父は宗教を立てろと言わなかった」というのが兄の主張で、弟は「統一教は文鮮明総裁をメシアと信じる基督教のある分派」と定義した。

Q.統一教は基督教のある分派なのか。

「私たちは基督教人です。イエス様は神様の独り息子であり、この地に来られて人類に罪を蕩減しようと十字架に釘打たれて亡くなったし、彼により人類は神様の大きい祝福と恩寵を受けました。ただし既成基督教と私たちの神学的差異は、私たちはレバレンドムーン(文鮮明牧師)が再臨のキリストとしてこの地に来られたと信じます。」

統一教の公式名称はしばらく世界平和統一家庭連合だった。彼が実権を占めてから「統一教」という表現が強調された。文顯進会長側は統一教という名称がよみがえったことに不満を感じている。組織を維持しようとする勢力が創始者の意志を歪曲しているというのだ。二人の兄弟はメシア観も違った。

Q.文鮮明総裁を信じてこそ救援されるのか。

「そうです。それに加えて祝福を受けなければなりません。神様の宣教目的は個人が個人として存在するのではなく、家庭の中で存在します。ユダヤ教とイスラエルがイエス様を受け入れたとすれば十字架で亡くならないで家庭を持っただろうと私たちは信じます。個人の救援でなく家庭の救援を強調することが既成基督教と私たちが違う点です。」

統一教で言う祝福は、文鮮明総裁が主管する結婚式に参席して家庭を作ることを意味する。

Q.文鮮明総裁をメシアと信じながら祝福を受ければ救援されると理解すれば良いか?

「そうです。」

彼は統一グループを任せられた後、構造調整を通じて企業群の負債比率を低くした。教会にも成果主義を導入した。信徒数、献金金額のような実績を物差しに牧会者を評価するのである。文顯進会長を支持する側では、「献金金額で牧会者と教会を評価することができるか」と批判する。

Q.構造調整に不満を持った人が少なくない。

「個人的には働き口を失った人を残念だと考えます。構造調整プロセスは苦痛です。構造調整をしてみた人はそれが人気を得られないものだということをよく分かるでしょう。叫びを聞かなければならず、脅迫、デモもあって、人々が泣いて、怒って….」

Q.教会構造調整は…。

「反感はあるでしょう。」

彼は韓国語で話した後、英語で付け加えた。

「私が解雇された境遇ならば気を悪くして失望するでしょうが、その方たちに言うことは、そのような困難のおかげで教会が繁栄しているということです。」

教会にも成果主義導入

文国進理事長に批判的な人々は、宗教の役割の中の一つの対社会活動が大幅に減ったと鋭く突く。宗教本来の活動を軽視するというのだ。

Q.NGO活動が減ったが。

「今は生産的な面を強調して、非生産的な部分を強調していません。統一教が基盤です。それを強化しなければなりません。」

Q.統一教の未来は…。

「明るい。構造調整を通じて教会信者数がだいぶ増加しており、献金金額も増えています。」

Q.米国でどんなビジネスを。

「大学を卒業して米国で事業を始めました。銃を作る会社を運営しています。銃に関連した特許7つを持っています。」

彼はハーバード大を卒業して、マイアミ大でMBAを終えた。米国で運営する銃器会社「カー」の売り上げは1000億ウォンを越えるという。韓国と米国を行き来しながらビジネスをしている。

Q.韓国で最も集中している事業は?

「最も大きいのはリゾート事業です。リゾートビジネスは資産は多くても資産に対する利潤が少ない。私が好む事業分野ではありません。」

Q.世界日報、ワシントンタイムズの状況は….

「世界日報はだいぶ良くなりました。赤字が270億ウォンであったのに15億ウォン以下に減らしました。ワシントンタイムズはまだ赤字が多い。」

ワシントンタイムズは統一教が1982年に米国で創刊した新聞である。発行部数は少ないけれどワシントン政界でそれなりの影響力を持った。李明博大統領が文を寄稿したこともある。(2010年6月26日付)三男文顯進会長が運営したが、昨年11月所有権が変わった。

Q.兄が渡してくれたのか。

「父が買い戻された。購入した。」

<1部>で言及したように統一教は昨年借金を抱え込む条件で1ドルでワシントンタイムズを買収した。ソウルで財政支援を切ったので経営が悪化したというのが文顯進会長側の主張だ。

Q.支援をしなかったので会社が難しくなったというが。

「私たちは実際にワシントンタイムズに資金を送りました。私たちが送金した目的でお金が使われないということだと理解します。」

Q.今持っている肩書の中で、最も大切なのは何か。

「銃を作る会社を運営することに楽しみを感じます。」

Q.所得は銃器会社だけで得ているのか?

「そうです。教会のことは頭が痛いことが多い。教会のような宗教を信じる人を助けることなのでやりがいを感じる。」

彼は韓国語でこのように付け加えた。

「事実、頭だけ痛いです。」

「世界の過半数宗教になること」

Q.文鮮明総裁の息子ではなかったとすれば、この世で生きるのが気楽だったということは…。

彼は遠まわしに話すことがなかった。質問が終わる前に「そう思ったことがよくあります」と韓国語で答えた。

Q.韓国文化が退屈な時はないか?

「初めは少し大変だったがずいぶん慣れました。仕事が常に忙しいので、仕事だけするから他のことはあまり考えられません。」

Q.これからも宗教指導者になる可能性はないのか。

「教会の一員だが私の役割は実際的なことです。弟がもっと立派です。もちろん私は宗教家です。私に私たちの神学を説明しろと言うなら説明することもできます。」

Q.地上の天国はいつ到来するか。

「私たちの宗教的見解ではトゥルーファーザー(統一教で文鮮明総裁を示す言葉)は神様の御旨を完成することに勝利した人です。この時代は再び来られるキリストのために準備された時代です。世界がこのように繁栄し、科学技術が発達し、多くの人が良く暮らす理由がすなわちそれです。私たちの神学は地球の上に天国を作る枠組みを神様が準備したと考えます。しかし、過渡期があります。地上の天国へ行く過程に神様が作られる困難がありえます。世界が動く姿を見ると私たちの信仰が正しいということを確信することができます。統一教が世界の過半数宗教になるだろうと私たちは信じます。」

ソウル、マポの事務室は素朴だった。持ち物にも実用主義者のにおいがした。子供が六人だと言った。「子育ては難しくないか」と尋ねた。

「易しくない時もあります」、と韓国語で答えながら彼が初めて笑った。

広告